『大正新脩大蔵経』は、大正時代から昭和初期にかけて編纂された、仏教聖典の集大成です。仏教学者の高楠順次郎が都監を務め、近代仏教学の成果を反映した画期的な大蔵経として、今日でも世界の仏教学者から高く評価されています。本書『大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版』は、その膨大なコレクションの一部であり、特に「華厳部」の重要な経典を収めています。この普及版は、学術研究者だけでなく、仏教思想に関心を持つ幅広い読者にとって、貴重な資料となるでしょう。
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版の基本情報
| 書名 | 大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版 |
|---|---|
| 著者 | 高楠順次郎 |
| 出版社 | 大正新脩大蔵経刊行会 |
| 発売日 | 1988年04月 |
| ISBN | 9784804395104 |
| ジャンル | 人文・思想・社会 |
| 価格 | 22,000円(税込) |
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版はどんな本?
本書は、全100巻からなる『大正新脩大蔵経』のうち、第10巻にあたる「華厳部 下」を収録した普及版です。この大蔵経は、大正13年(1924年)から昭和9年(1934年)にかけて、高楠順次郎らを都監として編纂されました。北宋代の『開宝蔵』を最もよく保存していた朝鮮海印寺の『高麗大蔵経再彫本』を底本としつつ、日本に伝わる多様な漢訳仏典を調査・校合して編纂された「漢訳仏典の総集」と称されるものです。特に本巻が属する「華厳部」には、『華厳経』に関連する仏典がまとめられており、大正蔵の経典番号278から309までが該当します。『華厳経』は、中国大乗仏教の華厳宗の所依の経典であり、その深遠な思想に触れることができます。
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版の内容と読みどころ
特徴1:近代仏教学の集大成
『大正新脩大蔵経』は、従来の分類法を刷新し、近代仏教学の成果に基づき経典を歴史的・地域的に配列している点が特徴です。
特徴2:華厳思想の核心に触れる
本巻に収められた「華厳部」の経典は、華厳宗の根幹をなす「重々無尽の縁起」という、万物が相互に無限に繋がり合う世界観を深く探求します。
特徴3:学術研究の基盤
サンスクリット語やパーリ語の原語注記が施されており、仏教学や東洋思想の研究者にとって、原典理解を深めるための重要な手引きとなります。
この本がおすすめの人
この書籍は、仏教学、インド哲学、東洋思想を専門とする研究者や学生に特におすすめです。また、華厳宗の教えや『華厳経』の思想に深く関心を持つ仏教徒や、仏教経典の原典に近い形で学びたいと考える方にも適しています。さらに、日本の文化や歴史における仏教の影響を理解したいと願う一般の読者にとっても、その背景を知る上で貴重な資料となるでしょう。網羅的な仏典の集大成であるため、特定の宗派に限定されず、幅広い視点から仏教を学びたい方にも有用です。
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版の評判・口コミ
『大正新脩大蔵経』シリーズ全体は、仏教学界において「漢訳仏典の定本」として世界的に高い評価を受けています。多くの学術論文で仏典を引用する際の標準として用いられ、その厳密な校訂と網羅性が特筆されています。本普及版は、原典に忠実な内容を維持しつつ、より多くの読者が手に取りやすい形で提供されており、長年にわたり仏教研究の基盤となってきました。個別の巻に対する具体的な読者レビューは多くありませんが、シリーズ全体としては、その学術的価値と資料としての重要性が一貫して認識されています。
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版の著者情報
本書の都監を務めた高楠順次郎(たかくす じゅんじろう、1866-1945)は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本の仏教学者、インド学者です。イギリスのオックスフォード大学でマックス・ミュラーに師事し、インド学や梵語学を修めました。帰国後は東京帝国大学(現・東京大学)で梵文学の教授を務め、東京外国語学校(現・東京外国語大学)の初代校長も歴任しました。『大正新脩大蔵経』の編纂を主導したほか、『南伝大蔵経』の刊行にも尽力し、インド哲学の普及と仏教の発展に大きく貢献しました。1944年にはその功績により文化勲章を受章しています。
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版の出版社情報
本書を刊行する「大正新脩大蔵経刊行会」は、元々『大正新脩大蔵経』の編纂・刊行のために、高楠順次郎の企画によって大正12年(1923年)に「大正一切経編集所」として設立されました。その後、昭和7年(1932年)に「大蔵出版株式会社」が設立され、事業を引き継ぎました。大蔵出版は、仏教学術書や東洋哲学、東洋思想に関する書籍を専門とする出版社として知られています。『大正新脩大蔵経』と『南伝大蔵経』という二大叢書の完結が、同社の企業としての礎を築きました。同社は、漢訳仏典の定本として、また東洋思想の宝庫として、世界で最も権威ある仏典の集大成を世に送り出し続けています。
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版を購入する前に確認したい情報
発売日は1988年04月、ISBNは9784804395104です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。
大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版の書評まとめ
『大正新脩大蔵経(第10巻(華厳部 下))普及版』は、仏教学の金字塔とされる『大正新脩大蔵経』シリーズの一巻であり、特に華厳思想の根幹をなす経典を収録しています。学術的な厳密さと網羅性を兼ね備え、仏教研究者や深く仏教を学びたいと願う方々にとって、不可欠な資料となるでしょう。普及版として刊行されているため、専門家だけでなく、関心を持つ一般の読者も、この貴重な仏典に触れる機会を得られます。仏教の奥深い世界を探求するための第一歩として、検討に値する一冊です。


