【書評】残火|辻堂 ゆめ|東京創元社

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残火 9784488029531 東京創元社 パッケージ画像

辻堂ゆめ氏の最新作『残火』は、過去の凶悪事件が現代に影を落とす社会派ミステリです。第24回大藪春彦賞を受賞した『トリカゴ』に登場した刑事たちが再び事件の真相に迫る本作は、加害者家族と被害者遺族という重いテーマを深く掘り下げています。読者に「どちらの立場になりたいか」という問いを突きつけ、人間の心の脆さや真実の重みを鮮烈に描き出す、辻堂ミステリの新たな到達点として注目を集めています。

残火の基本情報

書名 残火
著者 辻堂 ゆめ
出版社 東京創元社
発売日 2026年08月31日頃
ISBN 9784488029531
ジャンル 小説・エッセイ
価格 2,200円(税込)
楽天ブックス評価 ★4.4(42件)

残火はどんな本?

本作は、14年前に発生した産院放火殺人事件を巡る長編ミステリです。事件の被害者遺族3名を誘拐したのが、加害者である犯人の息子・湊川潤だったことから物語は始まります。取り調べを担当する警視庁の羽山圭司と高尾署の森垣里穂子に対し、湊川は加害者家族として歩んできた過酷な日々を語り、読者に「殺人事件の加害者家族と被害者遺族、どちらになりたいか」という問いを投げかけます。刑事たちが湊川の真意を探る中、管内で新たな凶悪事件が発生し、物語は予期せぬ方向へと展開。壊れやすい人の心と、慟哭の真相が描かれる、社会性とミステリが融合した作品です。

残火の内容と読みどころ

特徴1

「殺人事件の加害者家族と被害者遺族、どちらになりたいか」という、読者に深く問いかけるテーマ設定が、物語全体に重厚な緊張感を与えています。

特徴2

第24回大藪春彦賞受賞作『トリカゴ』で活躍した刑事たちが再登場し、前作からのファンにとっては彼らの新たな活躍と成長が見どころとなります。

特徴3

複雑に絡み合う人間関係と、二転三転する真相が織りなす巧みなプロットは、読者を最後まで引き込み、衝撃的な結末へと導くミステリとしての醍醐味を味わえます。

この本がおすすめの人

この本は、社会派ミステリや警察小説のファン、特に人間の心の闇や社会の不条理を深く考察する作品を好む方におすすめです。加害者家族と被害者遺族という重いテーマに真正面から向き合い、倫理的な問いを投げかける物語に惹かれる読者にも響くでしょう。また、辻堂ゆめ氏のこれまでの作品、特に『トリカゴ』を読んだ方にとっては、おなじみの刑事たちの再登場と、作者の新たな挑戦を体験できる一冊として期待に応えるでしょう。

残火の評判・口コミ

★★★★ 4.4 (42レビュー)

読者からは、その重厚なテーマと、心を揺さぶる展開に多くの反響が寄せられています。書評家からは「壊れやすい人の心を、形のままに取り出して見せた作品」と評され、真実が胸を刺すという感想が見られます。 多くのレビューで「予想を裏切るどんでん返し」や「伏線回収の巧みさ」が評価されており、読後には「やるせなさ」や「重い」といった感情が残るという声も聞かれます。 加害者家族と被害者遺族という問いかけが、読者の心に深く刻まれる作品として受け止められています。

残火の著者情報

辻堂ゆめ氏は1992年神奈川県生まれの小説家、推理作家です。東京大学法学部を卒業後、2015年に『いなくなった私へ』でデビューしました。 繊細な人間ドラマと鮮やかなどんでん返しを特徴とするミステリ作品で知られ、主にミステリー分野で活躍しています。 2022年には『トリカゴ』で第24回大藪春彦賞を受賞し、第75回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門の候補にもなりました。 社会問題への深い洞察も作品に反映されており、本作『残火』もその系譜に連なる意欲作です。

残火の出版社情報

東京創元社は1954年に設立された日本の出版社です。 特に翻訳推理小説や翻訳SFの老舗として知られ、1959年には日本初のミステリ専門文庫である「創元推理文庫」を創刊しました。 国内ミステリにも力を入れており、「鮎川哲也賞」や「ミステリーズ!新人賞」(現在の創元ミステリ短編賞)などを主催し、多くの新人作家を発掘しています。 社会派ミステリから本格ミステリまで幅広いジャンルを手がけ、質の高い作品を読者に届けている出版社です。

残火を購入する前に確認したい情報

発売日は2026年08月31日頃、ISBNは9784488029531です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。

残火の書評まとめ

辻堂ゆめ氏の『残火』は、加害者家族と被害者遺族という、社会が抱える根深い問題に切り込んだ骨太なミステリです。単なる謎解きに留まらず、人間の倫理観や心の奥底に迫る問いかけは、読者に深い思考を促すでしょう。重厚なテーマと巧みなストーリーテリングが融合した本作は、読み応えのあるミステリを求める読者にとって、忘れがたい読書体験となるはずです。

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