角川春樹事務所から刊行された中島敦の『李陵・山月記』は、人間の内面や運命を深く掘り下げた名作選です。中国古典に取材した重厚な物語を通じて、人間の葛藤や生き様を描き出します。中島敦は、短い生涯ながらも、硬質な文体の中に叙情的な響きを持つ作品を残し、没後その評価を高めました。本書は、彼の代表的な短編を収録し、読者に深い思索を促す一冊となっています。
李陵・山月記の基本情報
| 書名 | 李陵・山月記 |
|---|---|
| 著者 | 中島敦 |
| 出版社 | 角川春樹事務所 |
| 発売日 | 2012年04月01日頃 |
| ISBN | 9784758436533 |
| シリーズ | ハルキ文庫 |
| ジャンル | 文庫 |
| 価格 | 293円(税込) |
| 楽天ブックス評価 | ★4.4(13件) |
李陵・山月記はどんな本?
『李陵・山月記』は、作家・中島敦の代表的な短編二編を収録した文庫版です。表題作「李陵」では、前漢時代の武将・李陵が、やむなく敵方に降ったことによる苦悩や、彼を巡る人々の運命が描かれます。また、「山月記」では、詩人であった李徴が、自らの才能への傲慢さから人喰い虎へと変貌してしまう悲劇が描かれます。これらの作品は、中国古典の歴史や伝説を題材としながらも、人間のエゴイズム、プライド、そして存在の不安といった普遍的なテーマを扱っています。中島敦特有の、漢文調の硬質な文章と叙情的な表現が融合した文体が、作品に独特の深みを与えています。
李陵・山月記の内容と読みどころ
特徴1:「李陵」
歴史的事件を背景に、人間の選択と運命、そして名誉や忠誠といったテーマを深く掘り下げる。
特徴2:「山月記」
詩人の悲劇的な変貌を通して、才能と傲慢さ、そして人間の内なる葛藤を描く。
特徴3:中島敦の硬質かつ叙情的な文体
中国古典の世界を舞台にしながらも、現代にも通じる人間の心理を巧みに表現。
この本がおすすめの人
この本は、人間の内面や心理描写に深く切り込んだ物語を好む読者におすすめです。特に、中国古典や歴史を題材にした作品に興味がある方、また、人間の持つ葛藤や孤独といったテーマに惹かれる方には、満足いただけるでしょう。中島敦の独特な文体に触れてみたい方や、文学的な深みのある作品を読みたい方にも適しています。自己とは何か、生きるとは何かといった問いを、静かに考えたい読者におすすめします。
李陵・山月記の評判・口コミ
楽天ブックスでは13件のレビューがあり、平均評価は4.4となっています。読者からは、中島敦の描く人間の心理の深さや、古典的な題材でありながら現代にも通じる普遍的なテーマ性が高く評価されています。「山月記」の詩人の悲劇や、「李陵」における人間の葛藤などが、特に印象に残るという感想が多く見られます。また、硬質でありながらも美しい文章表現も、多くの読者に支持されています。
李陵・山月記の著者情報
中島敦(1909-1942)は、日本の小説家です。第一高等学校、東京帝国大学卒業後、教員や南洋庁の官吏を経て専業作家となりましたが、33歳で夭折しました。代表作に『山月記』、『李陵』、『光と風と夢』などがあります。彼の作品は、中国古典や南島を題材にしたものが多く、硬質な文体の中に叙情的な響きを持つのが特徴です。特に、人間の内面や存在の不安を深く追求した作品は、没後高く評価され、多くの読者に読み継がれています。全集は毎日出版文化賞を受賞しています。
李陵・山月記の出版社情報
角川春樹事務所は、1995年に角川春樹氏によって設立された出版社です。小説を中心とした文芸作品を多く手がけており、文庫レーベル「ハルキ文庫」は多様なジャンルの書籍を刊行しています。創業者は角川書店元社長であり、メディアミックス戦略にも長けていました。同社は、時代小説や警察小説、SF作品などを得意としており、近年ではコミック事業にも参入するなど、出版の枠を超えた事業展開も行っています。
李陵・山月記を購入する前に確認したい情報
発売日は2012年04月01日頃、ISBNは9784758436533です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。
李陵・山月記の書評まとめ
『李陵・山月記』は、人間の持つ業や葛藤を、古典的な題材を通して深く描き出した中島敦の代表作です。その硬質で美しい文章は、読者に静かな感動と深い思索をもたらします。人間の本質に迫る物語を求める読者にとって、珠玉の一冊となるでしょう。


