【書評】ピエロ・デッラ・フランチェスカ《キリストの鞭打ち》の謎を解く|シルヴィア・ロンケイ/池上 公平/長沢 朝代/林 克彦|白水社

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ルネサンス美術の巨匠、ピエロ・デッラ・フランチェスカが描いた《キリストの鞭打ち》は、その遠近法を駆使した構図と、長年にわたり解き明かされてこなかった数々の謎で、多くの研究者を魅了してきました。本書は、イタリアのビザンティン史研究者シルヴィア・ロンケイが、従来の美術史の枠を超え、ビザンティン帝国の史料という新たな視点からこの名画の深層に迫る画期的な試みです。歴史と芸術が交錯する謎解きの旅へと読者を誘います。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くの基本情報

書名 ピエロ・デッラ・フランチェスカ《キリストの鞭打ち》の謎を解く
副題 最後のビザンティン人と近代の始まり
著者 シルヴィア・ロンケイ/池上 公平/長沢 朝代/林 克彦
出版社 白水社
発売日 2019年04月24日頃
ISBN 9784560096581
ジャンル ホビー・スポーツ・美術
価格 22,000円(税込)

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くはどんな本?

ピエロ・デッラ・フランチェスカの傑作《キリストの鞭打ち》は、その不思議な構図だけでなく、注文主、真の主題、描かれた人物が誰であるかなど、多くの謎が議論されてきたルネサンス絵画です。 本書は、イタリアのビザンティン史研究者であるシルヴィア・ロンケイが、これまで美術史研究ではあまり用いられてこなかったビザンティン帝国の史料を駆使し、当時の激動する世界史の文脈からこれらの謎を読み解こうと試みます。 著者は、教皇、高位聖職者、皇帝、有力な領主、ギリシアと西欧の王女たちといった歴史上の重要人物を絵画の周囲に呼び集め、ミストラ、コンスタンティノポリス、フィレンツェ、ローマ、マントヴァ、ウルビーノといった各地の出来事を多角的に展開させます。 これにより、さまざまな美術史家の見解と著者自身の斬新な解釈がモザイク画のように組み合わされ、名画に秘められた謎の全体像を浮かび上がらせる構成となっています。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くの内容と読みどころ

特徴1:ビザンティン史料による画期的なアプローチ

従来の美術史研究では見過ごされがちだったビザンティン帝国の史料を積極的に活用し、名画の謎に新たな解釈をもたらす、学際的な視点が提示されています。

特徴2:15世紀の世界史を背景とした深層解読

絵画が制作された15世紀の激動する世界史、特に東方と西欧の政治的・宗教的対立や交流を詳細に描き出すことで、作品の真の主題や意図を深く掘り下げています。

特徴3:監訳者による充実した解説

巻末には、監訳者による《キリストの鞭打ち》研究の歴史と、15世紀の時代背景をまとめた詳細な解説が収録されており、作品と本書の理解を一層深めることができます。

この本がおすすめの人

ルネサンス美術、特にピエロ・デッラ・フランチェスカの作品に深い関心を持つ方におすすめです。また、美術史における未解明な謎に対し、歴史学や文化史といった学際的な視点からアプローチする研究手法に興味がある読者にも適しています。ビザンティン帝国史や15世紀ヨーロッパの政治・文化背景に関心がある方にとっても、新たな知見を提供する一冊となるでしょう。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くの評判・口コミ

本書は、ピエロ・デッラ・フランチェスカの《キリストの鞭打ち》という長年の謎に、ビザンティン史という独自の視点から挑んだ「斬新な1冊」として評価されています。 該博な知識に裏打ちされた深い考察と、多角的な歴史的背景の提示が読者の知的好奇心を刺激するという声が見られます。従来の美術史の枠に留まらない、学際的なアプローチが評価されており、作品の新たな側面を発見できるという感想に触れることができます。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くの著者情報

著者のシルヴィア・ロンケイ氏は、ピサ高等師範学校を修了し、現在ローマ第三大学人文科学部教授を務めるビザンティン史、古代文学、古代文化の専門家です。 著書に『沈める玉座 失われた聖性の探求』などがあります。 監訳者の池上公平氏は早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程中退後、共立女子大学文芸学部教授としてイタリア美術史を専門としています。 翻訳は長沢朝代氏と林克彦氏が担当しています。なお、林克彦氏については、同名の生殖遺伝学者(人工多能性幹細胞研究で知られる)や言語情報科学の准教授とは別人であると考えられ、翻訳者としての詳細なプロフィールは確認できませんでした。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くの出版社情報

白水社は1915年(大正4年)に創業した日本の出版社で、100年以上の歴史を持つ老舗です。 語学書、翻訳書、人文科学系の書籍を主要な出版分野としており、特に海外文学、演劇、思想分野で高い評価を得ています。 新人劇作家の登竜門として知られる岸田國士戯曲賞を主催するなど、文化活動にも貢献しています。 本書のような学術的かつ専門性の高い翻訳書を数多く手掛けることで、知的な読書体験を提供し続けています。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くを購入する前に確認したい情報

発売日は2019年04月24日頃、ISBNは9784560096581です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎を解くの書評まとめ

ピエロ・デッラ・フランチェスカの《キリストの鞭打ち》というルネサンス美術の傑作に、ビザンティン史という独自の切り口から迫る、非常に意欲的な美術史研究書です。単なる絵画解説に留まらず、当時の世界史のダイナミズムの中で作品を読み解くことで、新たな発見と深い洞察をもたらします。美術史の専門家はもちろんのこと、歴史と芸術の交差に関心を持つ知的な読者にとって、知的好奇心を大いに刺激される一冊となるでしょう。

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